こおり みず きり
暑くて、店まで歩くと汗がひくまで扇風機のお嬢さんの前から離れられない。水を飲んでしばし休憩。夏はまだまだ続くんだよな…と心配になる。目を閉じて、氷の世界を思い浮かべる。気が済んだらかけはぎのお直しの続き。少しずつしか出来ない作業の合間に、うめ塩飴を舐めて水を飲む。小さい頃、実家の食卓で父が晩酌のウイスキーをロックで飲むのを隣で見ていた。すると、父は新たな氷をグラスに落とし、私に「見てみろ、どうして今入れた氷が溶けてもウイスキーが溢れないんだ?」と、突然の謎解き問題が始まる。「どうして!?」と言う私に、父は「じゃあもう一度やってみるか」と何度もウイスキーを注ぎ氷を落とした。楽しそうな父が飲むウイスキーは何度見ても氷は溢れなかった。
